【インプット】【会計】稲盛和夫の実学―経営と会計(稲盛 和夫)
本書を読む目的
何のために会計があるのか、どのように経営に生かすのかを考える
学び・考えたこと
・企業の規模によっては応用すべきかを精査すべき点があると思う。
例えば、人手不足かつスピード感が何よりも求められるベンチャーにおいて
ダブルチェックや完璧主義の原則の完璧な適応は難しいと思う。
(事業の黒字化が最優先となりそれ以外のことにリソースは使えない)
ただし、不正を防ぐ仕組みは必要であると思う。
・「キャッシュベースで経営する」でキャッシュを十分に持てとあるが、
十分の基準がどの程度か気になった。
また、キャッシュをもつ手段は⑴資産をキャッシュに変える、⑵借入、⑶増資と思うが、
手段は⑴のことだけいっているのか。⑴〜⑶はどういった場合にとるべきか。
・完璧主義やダブルチェックの難しさ
→上記を徹底して企業文化をつくることの大事さは理解した
ただし、定着するまでにカネ、時間がかかるが、効果はわかりにくいため実行はむずかしいと思う。
→システムを利用できる部分は多そう。
→チェックの単純作業部分はシステムに任せる、チェックをUIに組み込む、など
・「経営を実態よりも良く見せないようにする」という経営者の誘惑
→システム開発の進捗報告でもよくある話なので納得した。
リーダーは数値責任をもっているため、上司や客に実態よりよく見せることがよくある。
他でも応用できるとおもった
TODO
・一般的な会計ルールをしる(発生主義とかあったけどわかっていないので。。。)
要約
<会計学の思想の全体像>
・紹介する基本原則は、一般的な会計基準を常識を鵜呑みにした結果ではなく、あるべき会計は何かを考えた結果である
・会計の原理原則をしるために、前提となる経営の原則は以下。
売上を最大に、経費を最小に
→会計はこの原則を追求し、成果が明瞭に表現できるシステムであるべき
値決めは経営
→安くければ売れるが採算がとりにくくなる、売上を最大にする値決めが望ましい
→売価が経営の重要指標である前提で、在庫評価や採算管理が行われる
<7つの基本原則>
1.キャッシュベースで経営する
一般の会計システムの課題
営業活動の結果として利用可能なお金がどのくらいあるか不明瞭である
なぜそう言えるのか?
→儲けは売掛金や在庫など様々な姿に変える、借入金は返済するとなくなる
→営業活動で利用したものを資産か費用かどちらで計上するかによって利益が異なるが
いつ費用とするかの管理は難しい(ex.八百屋のリンゴ箱は3日まで使える場合など)
どうしてよくない?
→利益が上がっているにもかかわらず資金繰りが厳しい状況が発生するため
あるべき原則
・キャッシュの増減を総額で表してキャッシュフロー計算書を会計報告に入れる
・土俵の真ん中で相撲を取る
→キャッシュが不足するとそこに労力が取られる
→事業環境が目まぐるしく変化する中、積極的に手を打つために余裕を持つ
2.1対1の対応を貫く
1対1の対応とは
営業活動で動いた「モノとお金」と「伝票」が1対1で紐づくことを徹底する
なぜ必要か
不正を行わせないため
→モノが動いていないのに伝票が上がる、またはその反対が起これば伝票の信頼性が失われ、モラルが低下
→伝票処理をあとでする予定だったが忘れて、売掛金の請求をしないままにしてしまう
正しく経営状況を表現するため
→仕入をしたのに銀行から請求がくるまでは伝票をきらない=費用が過小評価。(ex.仕入た時点で買掛で計上)
3.筋肉質の経営に徹する
筋肉質の経営とは
生産性を上げることに注力し、利益につながらない見栄の出費・会計上の数値操作はさける
具体的に何をする?
・投資総額と生産力を見える化し、投資効率をあげる。(ex.機械は新品か中古品か、購入費用と生産力から判断)
・在庫評価は売れるときのみ評価する(ex.OEMなどでは売れない在庫が発生しやすく実際は資産計上できない)
・変動費だけでなく、固定費の増加を警戒する(ex.設備投資や間接部門は認識されにくく増加傾向にある)
・投機は行わない(ゼロサムのため)
・費用の予算制度は不要(費用は確定できるが売上は未確定であるため、費用は予算を持たずに都度判断する)
4.完璧主義を貫く
・ミスがある前提でなくミスが発生しないようにプロセスを日々改善していくことが必要である
・数値の意味を考える(チェックする側に丸投げしないで作成側(経理)も数値の意味を考える)
5.ダブルチェックによって会社と人を守る
ダブルチェックの目的は?
・担当者は人間なので不正をしてしまうことがありうるため、できないような仕組みにして担当者を守る
・不正を防ぐことで業務、組織の信頼性を守る
ダブルチェックとは
・伝票を起こす人とお金を扱う人は切り離す
・適切な頻度で伝票とモノ・カネの残高を担当者以外がチェックする
・経営層が現場でルールが守られているかをチェックする、定着させる
6.採算向上を支える
採算向上をささえるためのアメーバ経営とは
社員、組織に裁量が与えられてそれぞれ経営主体のように活動する。
アメーバ経営をささえるための会計システムとは
・時間あたり採算(売上ー経費が各アメーバ毎にわかるようにする)
・標準原価法を使わない(標準的な原価を達成でなく付加価値が目的になるようにする)
・経理処理は早く、明瞭に(リアルタイムに把握、部門毎に経費の責任を持つ)
7.透明な経営を行う
透明な経営を行う目的は?
社員や株主から信頼されるため
透明な経営を行うための会計は?
・公明正大な経理(経営を実態よりも良く見せないようにする、3.筋肉質の経営に徹するの通り)
・社内コミュニケーション(経営者と社員が社内情報に対して公平である、トップの考えを正確に社員に伝える)
・フェアなディスクロージャー(米国企業に株式公開しているので、同様な情報開示)
・公正さを保証するための1対1の原則を徹底する
京セラのHPに要約が記載されていますね。
https://www.kyocera.co.jp/inamori/management/accounting/
学び・考えたこと
・企業の規模によっては応用すべきかを精査すべき点があると思う。
例えば、人手不足かつスピード感が何よりも求められるベンチャーにおいて
ダブルチェックや完璧主義の原則の完璧な適応は難しいと思う。
(事業の黒字化が最優先となりそれ以外のことにリソースは使えない)
ただし、不正を防ぐ仕組みは必要であると思う。
・「キャッシュベースで経営する」でキャッシュを十分に持てとあるが、
十分の基準がどの程度か気になった。
また、キャッシュをもつ手段は⑴資産をキャッシュに変える、⑵借入、⑶増資と思うが、
手段は⑴のことだけいっているのか。⑴〜⑶はどういった場合にとるべきか。
・完璧主義やダブルチェックの難しさ
→上記を徹底して企業文化をつくることの大事さは理解した
ただし、定着するまでにカネ、時間がかかるが、効果はわかりにくいため実行はむずかしいと思う。
→システムを利用できる部分は多そう。
→チェックの単純作業部分はシステムに任せる、チェックをUIに組み込む、など
・「経営を実態よりも良く見せないようにする」という経営者の誘惑
→システム開発の進捗報告でもよくある話なので納得した。
リーダーは数値責任をもっているため、上司や客に実態よりよく見せることがよくある。
他でも応用できるとおもった。
TODO
・一般的な会計ルールをしる(発生主義とかあったけどわかっていないので。。。)